福山市の高品質リノベーション・住宅再生専門店タクミ

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施工事例

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Case study施工事例

夫婦ふたりで紡ぐ、これからの暮らし。

OUT LINE

築年数
30年
居住者構成
2人
エリア
福山市神辺町

― 築30年の我が家を今の暮らしに寄り添う空間へ ―

家族の形が変わるとき、それに合わせて住まいもまた新しい姿に変わっていきます。

今回のリフォームは、そんな「人生の節目」にふさわしい、大切なご自宅の再生プロジェクトでした。

お施主様のご自宅は、築30年。時代を経てなお堂々と佇む、立派な木造住宅です。

実はこのお家、奥様のお父様が大工として建てられたという、深い思い出と絆が込められたご自宅。

住まいとしての価値はもちろん、家族の歴史が丁寧に刻まれた、かけがえのない空間でもあります。

30年前、夫婦お二人とお子様たちでにぎやかに暮らしてこられたこのお家も、今ではお子様たちは成人し、それぞれ独立。

現在はご夫婦お二人での暮らしとなり、これからのライフスタイルに合わせて住まい方を見直す時期を迎えていました。

「これからの人生を、もっと自分たちらしく、快適に暮らしたい。」

そんなお気持ちから、リフォームのご相談をいただきました。

■ 二間続きの和室を、広々とした開放的なリビングへ

かつては家族団らんの場として活躍していた、二間続きの和室。

子どもたちが集まり、お正月やお祝いごとにも使われてきた思い出深い空間です。

しかし現在は使用頻度が減り、ほとんど物置のようになっていたとのこと。

そこで今回のリフォームでは、この二間をひと続きの広々としたリビングへと大胆に刷新しました。

従来の和室ならではの重厚感ある造りはそのままに、現代のライフスタイルに合った明るく開放的な空間へと変貌。

また、この和室で使われていた床板は、思い出として残すだけでなく、TVボードのカウンターやトイレのカウンター材として再利用。

30年の時を超え、新たな形で空間に溶け込みました。

さらに、和室に付いていた欄間(らんま)は塗装を施し、色を一新。

新しい空間の中に和の趣をアクセントとして残すことで、ご家族の記憶と調和するリビングが誕生しました。

■ 寝室を2階から1階へ。これからを見据えた安心設計

今後の生活のしやすさを考えるうえで、生活動線の見直しは欠かせません。

そこで今回のリフォームでは、これまで2階にあった寝室を1階へと移設しました。

階段の昇り降りの負担がなくなり、体への優しさも格段に向上。

将来的に介護や医療の必要が出てきた場合にも対応しやすく、長く安心して暮らせる住まいとなります。

新たな寝室は、プライバシーが守られつつ、自然光が差し込む快適な位置に配置。

朝の光で心地よく目覚められるよう、窓の配置にも工夫を凝らしました。

さらに、寝室から洗面・トイレへのアクセスもスムーズになるよう、無駄な動線を極力省いた間取りとなっています。

一日の終わりを穏やかに過ごすための、静かで落ち着いた空間が完成しました。

■ 解体中に出会った「立派な梁」との再会

工事中、天井を解体した際に姿を現したのは、見事な木の梁。

長年この家を支えてきた、堂々たる構造材でした。

これこそ、30年前に奥様のお父様が大工として建てた家の「心」ともいえる存在。

この梁を見たとき、お施主様ご夫婦の目が輝いたのを、今でも鮮明に覚えています。

「これはぜひ、見せて残したい。」

そうして急遽プランを変更し、梁を天井に露出する「梁見せ天井」へと切り替えることになりました。

天井高が上がり、空間に開放感が生まれると同時に、家の歴史を感じさせる温もりも加わりました。

新しく整えられた室内の中に、30年前の面影がしっかりと息づく。

まさに「残すリノベーション」となりました。

■ 外観も「今の暮らし」にふさわしく一新

今回のリフォームでは、室内だけでなく外観にも大きな変化を加えました。

これまでのタイル貼りの外壁はすべて撤去し、代わりに「焼杉(やきすぎ)」を採用。

風格がありつつも、どこか温もりを感じさせる焼杉の外壁は、和とモダンを融合させたような趣きに。

時を経た家の雰囲気を大切にしながら、より洗練された外観へと生まれ変わりました。

ご近所からも「かっこよくなったね」と声をかけられるほど、存在感のあるファサードに仕上がっています。

■ 最新設備で、機能性とデザイン性を両立

生活を支えるキッチンや洗面台、トイレといった水回りも、最新の設備に一新しました。

機能性やお手入れのしやすさはもちろん、空間全体の雰囲気に調和するよう、カラーや素材も吟味。

無駄をそぎ落としたシンプルなデザインが、暮らしに美しさと落ち着きを与えてくれます。

また、照明計画や窓まわりの工夫によって、昼間は自然光で明るく

夜は柔らかい光に包まれる、心地よい室内環境を実現しました。

■ 打ち合わせは、毎回が楽しみな時間

このリフォームに関わらせていただいた私たちにとっても

お施主様ご夫婦との打ち合わせは本当に楽しい時間でした。

住まいへの思い入れや、これからの暮らしへの夢、お父様との思い出まで、たくさんのお話を聞かせていただきながら

一緒に空間をつくっていく過程は、私たちにとってもワクワクの連続でした。

「こんな感じにしたい」「この素材どう思いますか?」そんな会話の中で

お施主様の理想のイメージが少しずつ形になっていく。

そのお手伝いができたことを、とても光栄に感じています。

■ 思い出を包み込みながら、未来へ向かう住まいに

リフォームを終えた今、ご夫婦は新しい住まいで、これまで以上に穏やかで快適な毎日を過ごされています。

かつての記憶がそっと息づきながらも、今の暮らしにぴったりと寄り添う空間。

住まいは、単なる建物ではありません。そこに住む人の「記憶」と「未来」を包み込む場所。

だからこそ、「大切なものを残しながら、新しくする」ことにこそ、真のリノベーションの意味があるのだと思います。

今回のリフォームは、まさにそんな想いを形にした、家族と時間の物語でした。

これからも、このお家がご夫婦の人生をそっと支え、日々の暮らしを豊かに彩ってくれることを、心より願っています。